2022年に準グランプリを受賞した「伝う」監督、KUJIRA FILMの河邊拓也さんにお話を伺いました。
初めての佐田岬、表情豊かな景色に驚き
最初にサダワンを知ったのは、コンペのWEBサイトでした。ビジュアルや公募内容も面白そうだと思いました。
一緒に映像を撮っている仲間に愛媛県出身の人がいて、その友達で音楽をつくっている人、コンテンポラリーダンスをしている人がいて。彼らが全員愛媛県出身ということにご縁を感じ、声をかけて一緒に作品をつくることになりました。
佐田岬は初めて訪れましたが、さまざまな景色、表情がある場所だなと感じました。撮影で朝昼晩と動いていたからかもしれませんが、行く場所行く場所で違った景色が見られました。
いろんな路地でいろんな景色を見て、半島なのにこんなにバラエティに富んだ場所、景色があるんだというのは行ってみて感じたことでした。
「人間の一生と自然の動き」をテーマに動画を制作
本作では、人間の一生と自然の動きというのをテーマにしました。というのも、僕が最初に佐田岬を調べたとき、人間の生死や一生という雰囲気を持つ場所、という感覚を持ったんです。昔から変わらない自然がある中で、そこに暮らす人々はどんどん巡り巡っていくというのを強く感じたので、それを作品に持たせることができたらと思って制作しました。
振り付けも、手作業とか、暮らしとか、そういったところを表現できないかというのを演者とも相談しながらつくっていきました。
ロケハンと撮影を同時進行!撮影を通して感じた佐田岬半島の魅力
もちろん事前にWEBサイトで調べてアタリはつけていましたが、ロケハンをしなかった点は苦労しましたね。2泊3日のスケジュールを組んだのですが、東京から飛んでその場で撮るものもあれば、その場でロケハンして翌日撮るみたいな。時間との戦いは常にありました。
そんな中でも、ロケ地の場所や切り替わりの多さ、空気を変えていくところはこだわったところですね。編集をしてくれた仲間がいいところで繋いでくれました。
本当にいろんな場所で撮ったものがつながっているのですが、全編ちゃんと佐田岬らしさはあるなというのが、個人的には不思議というか、独特な場所だなと思いましたね。
最後のシーンは、実は偶然撮れたものなんです。撮影中に最後をどうしようかと話し合っているとき、風車を撮ろうとなって、しかも夜の風車ってあんまりないんじゃないかとなって…。車で坂道を上って、夜に急いで撮影したのは思い出深いエピソードです。
あとは佐田岬灯台もやっぱりよかったですね。長い時間かけ歩いて行っただけの爽快感もあるし、水飛沫まで間近に感じる。灯台からの景色も印象に残っています。
準グランプリを受賞したときは、一言で言うと嬉しかったですね。全員で何かをつくって賞をいただく機会がこれまでなかったので、このメンバーでつくったものが認められたと言うのは嬉しかったです。
今回、佐田岬のいろんな場所をまわりましたが、そのたびに違う画が撮れたり、違う佐田岬が出てきたりする感じがしました。なので、まだ見ぬ佐田岬の良さ、面白い一面はまだまだある気がしているので、そういうところを探すのは楽しいんじゃないかなと思います。
ぜひ、そんなワンダービューを探しに佐田岬を訪れてみてください!
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佐田岬ワンダービューコンペティション 2021-2022
▼準グランプリ受賞作品『伝う』▼是非ご覧ください